おなかを育てる基礎知識18

ストレスと腸内フローラ

ストレスと腸内フローラ

イライラするのは便秘のせい!?

セロトニンやドーパミンという名前を聞いたことがあるでしょうか。

セロトニンは別名「幸せホルモン」、ドーパミンは別名「やる気ホルモン」と呼ばれています。これらのホルモンが不足すると、ストレスを感じたり、イライラしたりします。

「幸せホルモン」セロトニンは、タンパク質を分解する過程で発生するアミノ酸(トリプトファン)によって、腸内で合成されています。タンパク質の分解にはビタミンCが必要ですが、ヒトはビタミンCを体内で合成できないため、食べ物から摂取しなければなりません。

タンパク質は分解されるとアミノ酸となりますが、アミノ酸からセロトニンを合成するためには、ビタミンB6や葉酸が必要です。これらのビタミンを合成しているのが腸内細菌なのです。腸や腸内細菌はセロトニンを合成するためにとても重要な働きをしているのです。また「やる気ホルモン」ドーパミンも、セロトニンと同じように腸内でタンパク質を分解する過程で合成されます。セロトニンが不足していると心が落ち着かずイライラしてしまいますが、ドーパミンが不足しているとやる気が出ずにイライラしてしまいます。

便秘などが続く腸内環境の場合、セロトニンがうまく作られず、イライラしやすくなる可能性があります。普段からストレスが多いと感じる方は、おなかの健康から見直してみましょう。

監修:理学療法士・整腸セラピスト 坂井正宙先生

参考文献:坂井正宙著 『図解入門 よくわかる 便秘と腸の基本としくみ 腸から健康を作る』(秀和システム)

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